【Lee Broom】3daysofdesign 2025 スペシャルレポート Part3

デンマーク・コペンハーゲンにて6/18(水)から6/20(金)にかけて行われたデザインフェスティバル「3daysofdesign」に行ってきました。

数ある展示の中から、開催地デンマークを拠点とするブランドを中心に、注目の展示を数回に分けてレポート形式でお届けします。

第3回は、伝統的なエレガンスに現代的感性を融合させる英国のブランド「Lee Broom」をご紹介します。

 

Lee Broom

▲今回の展示テーマは「From Here Now(今、ここから)」。Lee Broomが3daysofdesignに出展するのは今回が初めてです。ブランドが過去20年間に手がけてきた数々の照明に加え、定番作品の再解釈や新作も披露され、これまでの歩みと未来への展望を感じさせる内容となっていました。

 

▲会場は、1897年に地元の投資会社の本社として建てられた歴史的建造物でした。その内装と、優美に垂れるカーテンのドレープ、点在する彫刻やオブジェ、木箱の什器、そして耳に届く美しいストリングスの響きが調和し、物語性のある荘厳な空間を演出。展示されたプロダクトの魅力を一層引き立てていました。

 

▲Lee Broom初のポータブルランプ《Chant Portable Lamp》も今回初披露。自身の代表作であるChant シャンデリアをもとに、より親しみやすいフォルムへと再構築しています。クリアとフロストの2種類の仕上げ、ベース部分はゴールド・シルバー・ブロンズの3色展開で、自分好みの組み合わせを楽しめます。

近年の暮らしの多様化やコードレス需要の高まりを背景に、各ブランドがポータブルランプに注力している流れを感じさせる新作でした。

 

▲今年5月のニューヨークデザインウィークで発表された《Requiem Wall Light》も展示。Requiemシリーズは2022年、ブランド15周年を記念しデザイナー自身が布と石膏を用いて手作業で制作した、3種類、それぞれ限定15点の特別コレクションです。《Requiem Wall Light》はその世界観を継承しつつ、より多くの人に届けるために限定数を設けずリリース。石膏の重さを感じさせない柔らかなドレープからこぼれる光が神秘的です。

 

▲こちらの《Orion》はそぎ落とされたミニマルなシルエットが美しい照明。長さが88cmあるので単体でもダイニングテーブル上などでお使いいただけますが、複数灯を縦横に配置することで、存在感を放つ立体的な光のオブジェを形成することが可能です。

 

▲こちらは長年Lee Broomのアイコン的存在の一つとして、日本でも人気のある《Crescent》コレクションの展示です。「三日月=crescent moon」をモチーフにつくられたこの照明は、シンプルな幾何学形態の中にある斜めの切り込みが空間に良い緊張感を与えます。切り込み部分のプレートに用いられる真鍮とアクリルシェードのコントラストが上質さを演出しています。

 

▲大型シャンデリアもLee Broomを象徴するアイテムの一つ。一枚目手前の《Aurora》シリーズは、サイズの異なる5種のリングを上下に組み合わせられるカスタマイズ性が特徴です。

奥に見える《KING》シリーズは、一枚一枚手作業で取り付けられた金箔のブラシ加工の質感が印象的。隠された光源が織りなす陰影や、中世的な王冠モチーフとブルータリズム的な力強さが融合した独自の世界観が光ります。

 

まとめ

今回の展示では、Lee Broomのこれまでの歩みと未来への挑戦が見事に表現されていました。
伝統と革新を行き来しながら進化を続けるデザインの力と、プロダクトを通じて語られる物語性に改めて感銘を受けました。


次回は、同じくロンドンに拠点を置くブランド「Tom Dixon」の展示をご紹介します。

 

Writer
HASHIMOTO

Elighting STAFF

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