【Louis Poulsen】3daysofdesign 2025 スペシャルレポート Part6

デンマーク・コペンハーゲンにて6/18(水)から6/20(金)にかけて行われたデザインフェスティバル「3daysofdesign」に行ってきました。

数ある展示の中から、開催地デンマークを拠点とするブランドを中心に、注目の展示を数回に分けてレポート形式でお届けします。

最終回となる第6回は、デンマークを代表する老舗照明ブランド「Louis Poulsen」をご紹介します。

 

Louis Poulsen

▲今回の会場は、美しい港町であるニューハウンからほど近い、Louis Poulsen本社のショールーム兼オフィス。
普段からブランドの世界観を体感できる空間ですが、3daysofdesign期間中は屋内外をフル活用した特別展示が行われ、来場者で賑わっていました。

 

▲他のブランドと比べて特に印象的だったのは、屋外での大規模なインスタレーション。
中でも注目を集めていたのが、デンマークのアーティストHenrik Vibskovが手掛けた 「The Circle Dome Square」 です。

Verner Pantonがデザインした名作《Panthella》ランプに着想を得たこの作品は、円・ドーム・スクエアという幾何学形状を組み合わせた立体的なテキスタイル構造。
内部に足を踏み入れると、光と色彩に包まれ、外の喧騒が遠のくような没入感が広がります。伝統と現代、そして未来が交差する——そんなLouis Poulsenらしい挑戦を感じました。

 

 

▲「The Circle Dome Square」の隣では、ユーモラスな演出が。
ベルトコンベアの上をPanthellaランプとフィンガーフードが交互に流れる様子は、まるで北欧版の“回転寿司”(Louis Poulsen流ジャパンディ?)。
コラボレーションしていたフランスのビール「1664」などのドリンクとともに、来場者は自然と足を止め、談笑しながらこの光景を楽しんでいました。

 

▲屋内では、新たなカスタマイズ施策 「PH 5 – Your Edition」 を紹介。
PH 5の各パーツの色を自分好みに組み合わせられるシステムで、従来のカラーバリエーションでは見られなかった新しい配色のPH 5がずらりと展示されていました。

本国サイトでは、実際にパーツを選びながら3Dイメージを画面で確認できる特設ページが用意されています。
PH 5 – Your Edition 特設ページ

 

 

▲もちろん、Louis Poulsenを象徴する定番照明も存在感を放っていました。
写真は名作 《アーティチョーク》。
何十枚ものシェードが精緻な角度で配置され、光源からの直接光を遮ることで、柔らかくも奥行きのある光を作り出します。
これだけ多くの照明が空間全体に展示されていながら、まったくグレア(不快なまぶしさ)を感じさせない、人に優しい光づくりへのこだわりが随所に感じられました。

 

まとめ

今回のLouis Poulsenの展示は、光そのものを楽しむための仕掛けとブランドの歴史を体感させる空間構成の両立が見事でした。
屋外インスタレーションのスケール感と遊び心、屋内の緻密な製品展示が相互に補完し合い、来場者に「光のある空間の価値」を改めて気づかせてくれる内容だったと思います。

 

3daysofdesign 2025 全体統括

2025年のテーマは 「Keep It Real」。
装飾的な派手さや複雑なコンセプトよりも、“本物の素材感やクラフトマンシップ、使い手とのリアルな関係性”が強調されていたのが印象的です。

今回レポートした6ブランド — Verpan, &Tradition, Lee Broom, Tom Dixon, A-N-D, Louis Poulsen — をはじめ、紹介しきれなかった多くのブランドも、それぞれ独自の解釈でこのテーマを表現。
素材をありのままに見せる展示、製品の背景や作り手の物語を伝える仕掛け、そして来場者が実際に触れて体感できる没入的な構成など、“その場でしか味わえない魅力”が溢れていました。

展示会場の外でも、ふと立ち寄ったカフェのインテリアや、お城などの歴史的建造物、港町ニューハウンの街並み、そして街を彩る外灯に至るまで、デザインが生活や景観に溶け込み、循環している様子が感じられました。
展示を巡る道すがらの風景も含めて、まるごと北欧デザインの歴史と文化を味わえる素晴らしいフェスティバルでした。

Writer
HASHIMOTO

Elighting STAFF

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